FXの小鬼たち ──マーケットに打ち勝った12人の「普通」の人たちの全記録【電子書籍】[ キャシー・リーエン ] 価格:2,310円 |
本書は,成功した12人のトレーダーに対するインタビュー集だ。
彼らは主戦場としている相場も違うし(タイトルにはFXとついてるが,先物市場だったり,株式市場を主戦場とするトレーダーも含まれている),その手法も実に様々だ。
経歴もバラバラで,決して,もともと金融市場のプロだった人ばかりではない。というか,そんな人はほとんどいなかった。
つまり,普通の人がトレードで成功した事例がたくさん載っているというわけだ。
およそトレーダーを名乗る人間であれば,本書から得られるものは何かしらあるように思う。
本書で興味深かったことの第一は,みんなバラバラである,ということ。
さっきも書いたが,主戦場,長期か短期か,見ている時間足,トレードする時間帯,順張りか逆張りか,テクニカル分析とファンダメンタル分析のどちらを重視するか,経歴等実に多様だった。専業トレーダーもいれば,兼業トレーダもいた。
つまるところ,トレードで成功するためには,道は一つではないということ。それどころか,おそろしく多様だ。要は,自分に合ってるかどうか。これに尽きるんじゃないだろうか。自分の強みと弱みを知り,自分に合ったやりかたでトレードすればいいのだ。
第二に,前記のように,登場するトレーダーは非常に多様なのに,概ね共通していることがあったこと。
それは,資金管理を徹底しているということだ。損切のルールが明確で,最大のリスクをいくらにするか決められていて,それを遵守している。つまりは,ディフェンシブなのだ。
登場するトレーダー間で,ナンピンするかどうかは結構割れていて面白かったのだが,資金管理を徹底するということは共通していた。ナンピンするトレーダーは,あらかじめナンピンがトレードルールに組み込まれているに過ぎない。
結局のところ,トレーダーとして成功するか否かは,自分の特性にあったトレード手法を 確立したうえで一貫してトレードルールを守ることができるかということにかかっているのかもしれない。
お気に入り度:★★★☆☆
FXの小鬼たち ──マーケットに打ち勝った12人の「普通」の人たちの全記録【電子書籍】[ キャシー・リーエン ] 価格:2,310円 |
前回
書評:伝説のトレーダー集団タートルズの全貌 マイケル・W・コベル【著】,遠坂淳一【監訳】,秦由紀子【訳】 - Coomaの日記
次回
書評:マンガでわかるはじめての海外FX / 及川圭哉/著 星井博文/シナリオ 五所次晴/作画 - Coomaの日記
まとめ