欲望と幻想の市場 伝説の投機王リバモア [ エドウィン・ルフェーブル ] 価格:2,420円 |
本書は,実在の伝説のトレーダー,ジェシー・リバモアの自伝風小説である(一人称で語られているが,リバモア本人の著作ではなく,リバモアへのインタビューを元にした小説である)。
小説というと,普通は主人公の人間性を描写したりだとか,数奇な運命だとか,人間模様だとかに焦点を当てるものだが,本作は少し違う。
本作の主人公,リバモアは,3度の破産を経験し,そのたびに復活を遂げ,破産する以前よりも大きな富を築いたというとんでもない人物で,4度目の破産により自殺を遂げるという波乱万丈な人生を歩んだ。また,恋多き人でもあったようなのだけど,本作では,ドラマチックな出来事が面白おかしく語られることはない。
本作が焦点を当てているのは,徹頭徹尾,相場である。
作中でリバモアは,自分と相場との関りを,淡々と語る。一人のトレーダーとして語られる相場観,視点,経験談。本作にはトレーダーにとっての金言があふれている。
例えば,こんな具合だ。
「金を失わないためには何をすべきでないかがわかった時,相場で勝つのに何をすべきかというとがようやくわかり始めるのだ。」
リバモアは株式市場や先物取引市場で活躍したトレーダーであるが,その言葉はFXにも通底するものがあるように思う。
トレーダーにとっては,一読の価値がある書籍だと思う。
とは言っても,トレードのシステムも時代も何から何まで違うので,実際のトレードに本書の内容が直接役に立つというものではない。
ただ,読みものとしてはとても面白かった。
お気に入り度★★★☆☆
欲望と幻想の市場 伝説の投機王リバモア [ エドウィン・ルフェーブル ] 価格:2,420円 |
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